一般社団法人日本意思決定支援ネットワークは、障害のあるなしにかかわらず、誰もが自身と誇りを持って、expressed wish(表出された意思、心からの希望)に基づく意思決定とその人らしい人生の可能性を追求できる社会づくりを目指します。
一般社団法人日本意思決定支援ネットワークは、障害のあるなしにかかわらず、誰もが自身と誇りを持って、expressed wish(表出された意思、心からの希望)に基づく意思決定とその人らしい人生の可能性を追求できる社会づくりを目指します。
Supported Decision-Makingの略。(日本語で意思決定支援、支援付き意思決定)
意思決定支援とは、ご本人が心からの希望に基づく意思決定を行うために提供されるさまざまな支援のこと。
意思決定のプロセスには、ご本人が自分で意思を決める【支援付き意思決定】の場面とご本人に代わって第三者が意思を決定する【代理代行決定】の場面があるとされていますが、私たちはとりわけ支援付き意思決定を大切にしています。
私たちは、判断能力が不十分とされる方への意思決定支援について、日本の行政・司法・福祉・医療・教育機関及び民間企業に所属するメンバーとともに、世界に通用する意思決定支援(支援付き意思決定)体制を構築するための活動を行っています。
SDMなのになぜ「W」の形をしたロゴなの?と思われた方もいるかもしれません。
「W」の部分:
私たちが大切にしている"Wish"の頭文字です。それぞれの"Wish"を浮き彫りにしたいという思い。さらにそれぞれの人の"Wish"が大切にされる社会になっていってほしいという願いがこもっています。
双葉の部分:
”Wish"の種をご本人を中心にしながら、みんなで育てていこうという思いを示しています。
カラフルな色:
多様な人たちのさまざまな育っていく"Wish"を表現しています。
「障害があっても…、認知症になっても…、誰かに決められるのではなく、自分の望む人生を全うしたい。」そのような思いを自由に語ることが難しい社会の中で私たちは生きています。
「障害があっても…、認知症になっても…、誰かに決められるのではなく、自分の望む人生を全うしたい。」そのような思いを自由に語ることが難しい社会の中で私たちは生きています。
日本が障害者権利条約を2014年に批准した後、 厚生労働省は意思決定支援に関するガイドライン等を順次公表しています。しかしながら、ガイドラインごとに「意思決定支援」の定義や対象範囲も異なっており、それぞれの関係性を理解することがとても難しいと言われています。
特に、本人による意思決定が困難と判断された場合には、「最善の利益(Best Interest)」に基づいて周囲が代理・代行決定を行うことを許容するガイドラインも存在するため、「意思決定支援」(本人による心からの希望に基づく意思決定を周囲が支えること)の本来の意味を理解した上で、各ガイドラインを読み解いていくことが重要です。
現在の日本の意思決定支援ガイドラインの中には、意思決定全体のプロセスの一部に最善の利益(best interest)を採用しているものもみられます。しかし最善の利益原則を用いると、周囲の人間から見た本人の客観的利益が重視されることが多く、本人の本当の希望や意思がないがしろにされることがあります。
そのため私たちは、最善の利益原則による支援を「“良かれと思って”支援」とも呼称し、表出された意思・心からの希望(expressed wish)と対比しています。
日本では、これから支援現場で意思決定支援が推進されることとなりますが、その際に周囲の都合による最善の利益原則が過信されることは避けるべきであり、代替案としてのexpressed wishを普及・啓発することが重要であると考えています。
本人の意思がはっきりしない場合、まずは本人の立場に立ったときの選択肢を考えてみましょう。すると新たな角度から新しい選択肢が出てくるはずです。
大事なことは、最初から無理とは決めつけないことです。
本人の意思がはっきりしない場合、まずは本人の立場に立ったときの選択肢を考えてみましょう。すると新たな角度から新しい選択肢が出てくるはずです。
大事なことは、最初から無理とは決めつけないことです。
その上で、本人の意思を引き出す最大の努力をします。「選択肢に関する情報を分かりやすく提供できただろうか」「本人の経験がなく、想像できないような選択肢を提示していなかっただろうか」「自分の思いを伝えづらい環境になっていなかっただろうか」など、本人の真意を引き出すヒントはたくさんあります。
「本人に決める能力がない」のではなく、「私たちが十分な意思決定支援を提供できていない」可能性に目を向けることが、私たちの意思決定支援の第一歩となります。
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